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快適さの功罪 熱中症

熱中症24人が搬送 体育祭の開催中に 大阪府高槻市
(2007年9月5日 朝日)

私が小学校、中学校の頃、家にはクーラーなんてなかった。 というか、高校になってもなかった。 もちろん、学校にも体育館にもなかった。

剣道部だったが、みなさんご存じのように、練習中に水を飲むなんて、シゴキの対象になるくらいで、絶対にできなかった。

クーラーのない体育館で、あの剣道の防具を付けて、何時間も、水も飲まずに稽古をつづけて、それでも熱中症になって倒れた部員は私の周りにはいなかった。

夏になれば、汗をかく。 たまに吹く風がわずかに涼しく感じる。 そんな感覚が、人間を守っていたように思う。

人工的に「快適」な環境にいる生き物が、自然の環境に晒されてへばってしまう様は、なんともそら恐ろしいものを感じてしまう。 もちろん、今となっては、私自身もご多分に漏れないのは以前に書いたとおりなのだが。

やはり、人間は簡単に退化する動物だから、甘やかしてはいけないのである。

ちなみに、この事務所の中は、湿度55%、室温33℃である。風がないので小さな扇風機を回している。快適とはとても言えないが、なんとかコレくらいの作業はできる。

しかし、この人間破壊の犯人は、クーラーだけではないようだ。

当時の私の家は、普通の家だったけれども土壁に漆喰だった記憶がある。 ほじくって遊んでいたから、たぶん間違いない。

小学校は木造だった。 中学は鉄筋コンクリートだったけれども、たしか床は木だったような朧気な記憶が。 少なくとも、体育館の床は無垢の木だった。 時々、反ったりしていたから。

だから、想像するに、温度は高くても湿度はある程度押さえられていたのだと思う。 先日の講義で山田さんも言っていたが、湿度が低いと温度はある程度高くても我慢できるのである。

私の経験からも、湿度が40%以下で室温32℃くらいで、少し風が吹いていれば、これはもう快適と言える。 

では、家の湿度を高くして、クーラーを付けないといられないようにしたのは何か、と言えは、合板フローリングとビニールクロスだ。 だから、熱中症の犯人は、実はビニールクロスと合板であるともいえる。

表面的な「美しさ」と、我慢しない「快適さ」を求めた結果が、最近の熱中症大量発生なのではないか。 そんな気がしている。

(山岸飛鳥)

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