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小さな巨人「水谷ペイント」

いい家塾 塾長 釜中 明

4月12日、水谷ペイント㈱本社工場を「いい家塾」の関係者17名で訪問した。なんとも実りの多い見学会でしたのでレポートします。
ご縁は、昨年当塾が受注したN分譲マンションの大規模改修コンサルティングでした。その外壁塗装工事で採用した塗料が水谷ペイント社製の「ナノコンポジットW」でした。産官学共同開発で15年の研究の結果開発されたのです。ナノテクノロジーが環境対応と機能性を両立させた画期的な壁用塗料で、特許取得もされ「井上春成賞」受賞という大変優れものでした。
工事完了時、住民の皆さんが慰労会を開いてくださり、落合雅治理事長初め感謝の言葉を頂戴しました。
主な要因は、劣化診断から始まり最適な改修工事をしたことや、使用した塗料が大変好評だったのです。

さらに昨年末、産官学共同で「バイオマスR」という屋根用塗料の完成発表会にお招き頂きました。文字通り原材料は「生物資源の固まりで有機性の廃棄物」です。いわゆる「植物由来の資源」から誕生した画期的な塗料が完成したのです。
世の中の塗料のほとんどが石油化学製品から出来ています。石油由来は、人体に大きな負荷をかけるVOC(揮発性有機化合物)を発散させます。これがシックハウスの原因物質であり、シックハウス症候群や70万人以上といわれる化学物質過敏症で多くの人を苦しめているは周知の通りです。

私はこの素晴らしい画期的な商品の製造現場を見たい、そしてこれを造る人たちに会いたいと思い立ち仲間と訪問したのです。
第1部は工場見学とプレゼンテーション、2部はトークセッションというプログラムを組みました。
当日は水谷成彦社長初め10名の幹部社員が対応してくださいました。工場見学ではマル秘の現場も特別に見せていただきました。主要商品のプレゼンテーションでは上記2商品の開発技術担当者から 開発経緯を聞きました。とても真似の出来ない化学技術者のひたむきな情熱に感動を覚えました。

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【トークセッションの様子】

来年創業90年を迎える水谷ペイントは、創業者以来塗料製造一筋に取り組んでこられたそうです。特に先進のテクノロジーを導入して、革新的な商品開発に特化してこられたとお見受けしました。長寿の秘訣がこのへんにもありそうです。
場内は、塗料メーカー独特の刺激臭を予想していたのですがほとんど感じなかった。水谷社長に質してみると、15年前に地域との協調を考えISO認証を取得し、周辺住民から臭わない工場だと喜んでもらっているそうです。

続いて両者のトークセッションを当塾が担当し、私のコーディネートで進行しました。
私の周りで「水谷ペイント」の名前を知っている人は皆無に近い。長い社歴と画期的な商品力がありながら知名度が低いのです。
冒頭、認知されていないのはなぜですか?と社長につっこみを入れたところ、「当社は業界30位なので知名度も低いのです。マスコミでコマーシャルや宣伝もしないからかア~・・・・・」と、困らせてしまいました。

塗料も多くの用途があるのですが、水谷ペイントは建築用塗料に特化しており、販売代理店が販売先ということでした。アサヒペイントのように、家庭用塗料なら直接消費者に販売するためCMも必要なのでしょう。

次に、シックハウスの事例やシックハウス症候群の苦しみなどを問題提起しました。私は「子供受難時代」だと指摘して、13万人の不登校の児童生徒の多くがシックハウスやシックスクールが原因で、シックハウス症候群や化学物質過敏症になり学校へ行きたくても行けない現実を訴えました。
人間の心身に大きなダメージを与える商品を排出することは許されません。企業も行政もこの責任を問われなければならないのにまったく野放しです。アスベストも遅まきながらようやく退場処分になりました。命と健康をけずる物は淘汰されるのは明白です。

私はVOC発生源の石油由来の建材や塗料、接着剤などの製品は近々販売できなくなると明言いたしました。
当塾は常に安全、安心、快適を基本に「いい家」造りのために、活動を続けてきました。対策として先ず自己防衛のために「良品と悪品」を峻別できる賢明な消費者を輩出する「いい家塾」の講座をはじめたのです。健全な消費活動が行政や住宅産業界を正しい方向に転換させるのです。

ようやく強い味方が現れました。まさに正義の味方です。植物由来の塗料の開発に成功した水谷ペイントさんに感謝と共に、今後もっと多くの人々に認知してもらう活動を期待してやみません。私は最後にバイオマスRの技術をもっと進化させて、業界30位から世界のパイオニアになって欲しいと期待を表明しました。宝石も世に出て初めて宝物になります。

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【水谷社長と】

久しぶりに本物に会えた気分になり興奮しました。私たちも応援します。と最後はエールで閉めました。
「大阪に水谷ペイントという小さな巨人が存在した」わくわくしながらの帰路、神崎川に満開の桜が「花笑み」でした。

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